サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

勝手にグラベルシンドバッドの冒険!フロム茅ヶ崎

やっとGWらしいワクワクする旅の日の朝。
スタート地点はサザンを生んでくれた茅ヶ崎駅。この駅のホームでは発車チャイムが「希望の轍」だ。どうやら2014年からこの曲のようなんだけど、日替わりでいろんな曲にしちゃったほうが面白いんじゃない?って思ったり。
ちなみに、彼らのデビュー曲「勝手にシンドバッド」は当時、大ヒットしていた沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンクレディーの「渚のシンドバッド」を足して二で割ればヒットするという論法で付けられたタイトル。だから歌詞とはほとんど関係ないみたいね。デビュー当時から破天荒でお茶目な彼らだ。
というわけで、この記事のタイトルも、サザンの影響と昭和歌謡&アニメに感化されまくりなワタシなりのノリでレッツらゴー!

駅から裏道に入り住宅街を抜ける。
サザンビーチに着くと目の前にエボシ岩!
「砂混じりの茅ヶ崎」こと、サザンビーチのサイクリングロードを走るには、
やっぱりグラベルバイクに限る!

今日の相棒は、神奈川県横須賀育ちのTさん。
三浦・湘南を熟知している彼に先導してもらって楽しむ自分。
Always Thanks!


今回のルート設定。大まかにいうと神奈川県を縦断しつつ横断する。
あ、文字で言ってもわかりにくいね。
地図だとこうなる。

茅ヶ崎駅からビーチに出て、しばらくサザンビーチを西に進み、
相模川で北上。合流する目久尻川に進路を取り、住宅街、幹線道路を経て
町田を抜け、恩田川、境川を通り武蔵小杉に帰ってくるという
神奈川県のちょっとマイナーな川沿いをメインにしたルート設定だ。

自分では「マイナー」と評してしまったが、都心部サイクリストにとって「メジャー」なのが「多摩川」や「荒川」だとすると、もっとサイクリストが少なく、歩いている人もほとんどいないぐらいを「マイナー」と言ってみただけのこと。

マイナーにはそれだけマイナーたる理由が存在するのだけど、
・交通量が少ない
・歩いている人も少ない
・川の水量が少なく川の幅も太くない
・水量が少ないから水害が少ない(想定)
・護岸対策がほどほどなので、自然の情景が残されている
・舗装路が少ない!

そう、舗装路が少ないということは、グラベル率が高いのだ!
特に目久尻川のサイクリングロードはグラベル率80%(自己感覚値)

Tさんのタイヤはルネ・エルス Barlow Pass 700×38c
ワタシのタイヤは、ChallengeのSTRADA BIANCA 700×36c
両者とも非常にしなやかなスリック系グラベルタイヤなのだ。

3Barを入れた36cのChallenge STRADA BIANCAに乗る自分。
25や28cの純粋なロードバイクと比べて未舗装のダートを駆け抜ける爽快感は全く別物

さらにいうと、こういうフラットダートというのは、2インチ以上のMTBだと
なんだか物足りない。MTBはやはりシングルトラックや起伏のある里山トレイルか、常設コースが本領発揮できて楽しい。
そこへ来て、グラベルバイクはMTBよりも巡航スピードが速く、フラットダートでの疾走感の満足度は大きい!流れるタイヤのスリップ感などMTBタイヤよりも低い限界値のおかげで操っている実感が楽しめるのも、たまらない魅力ともいえよう。
グラベル専用バイクを用意しなくても、クリアランスさえ確保できるならロードバイクに35c以上のスリック系グラベルタイヤを履かせればいい。
昨今のカーボンロードバイク、特にS社とかG社には、クリアランス大きめなエンデュランス系ロードがあったりするので、ぜひタイヤを太くしてダートの冒険を楽しんではいかがだろうか。左右にそれぞれ3mmくらいのクリアランスがあれば、ダンシングでホイールがたわんでも、そこそこイケる!(ことがある)


それにしても、マイナーな小川サイクリングロードはステキな空間だ。
いかにも地元暮らしの親子の散歩、老父婦による草刈り、大きな鯉の大群、子供達の川遊び、上半身ハダカのおっちゃんの昼寝、ひっそりと見守る先祖たちのお墓、水源を大切に使う畑。。。
小川には、そこで昔から人間や動物が川と一緒に生きてきた証が、生活の一部となっていまでもはっきりと存在を主張する。
そうした空間を匂いや風を感じながら、快適な速度で長距離を走り抜けることができる自転車は、やはりグラベルが最適なのかも。

もちろん、こうした小川から少し離れて、車が多く行き交い、人々が賑わう幹線道路や街中へ繰り出すことも自転車ならでは。太めのスリックタイヤの低い抵抗と柔らかく静かな走行は、スムーズな移動だけでなく、市中にも存在する多くの段差超えにも重宝する。ロードバイクでの段差越えとはストレスの度合いが全く違うので、一日中走った後の体へのダメージの残り方も変わってくる。(ロードにはロードの高速巡航の痛快さがあるのもよ〜くわかる。それもアリはアリだ!)

言いたいことは、グラベルバイクってのは街中冒険車だってこと!
生活圏のそばにある「マウンテンバイク未満ロードバイク以上」の未舗装路アドベンチャーを追求できる最適解なバイクなのだ。

Tさんと会話した中に、その昔、自転車で初めて10km程度の遠出をした時の「遠くまで頑張ったなぁ、今日の俺」の距離感覚は、あれから数十年経った今では、もう10倍を超えてしまったのかもしれない。幾つもの街を超えて、自分の力で旅をする実感が持てる我が自転車よ。

冒険はこれからもつづく!