サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

29+タイヤのダークホース「McFLY」でGo!

TERRENE(テレネ)という新生タイヤメーカーをご存知でしょうか?
私も大好きなSalsaというメーカーで、ブランドマネージャーを勤めた経験のあるティムさん。彼自身もライダーとして活躍し、その後、自身で立ち上げたタイヤブランドがTERRENEであります。

ためしに「TERRENE・タイヤ」で検索してみてください。
新しいタイヤブランドだけに、いろいろな方が深く多角的な視点でインプレを行ってますね。
たとえば、
1) 700×40cのグラベルタイヤ「ELWOOD」のインプレならコチラ
LongRideFun.comのTattsさんの緻密な記事
https://www.longridefan.com/blog/2804/

2) 27.5×3.0の「CHUNK」のインプレならコチラ
足利サンフィールドMTBパーク=SMPの主人、Chiyさんの優良記事
https://blogs.yahoo.co.jp/aroaro1202/40908736.html

ここのタイヤメーカーは、27.5や29erのいわゆる一般的なレース志向の2.2幅タイヤ中心ではなく、
大手メーカーでも品揃えが手薄になってしまう27.5+や29+、ファット、そしてロードプラスといわれる700Cや650Bの40c以上といったような、

やや太めが多いですわ!
レース志向っていうより、遊び志向だったり
アドベンチャー向きが多いですわ!

な、遊び気質な空気感が漂っているんです。
そりゃそうだよね。元Salsaの人ですからね。

本国サイトを見ていると伝わってくるんだけど、
レースシーンで一分一秒を争うことを主眼としているわけではなく、
どこまでも続くシングルトラックや、果てしないダートロード、延々と続くツーリング
そんな背景の中でとことん楽しむために情熱をかけたブランドってことらしいです。

さて、そんな背景の前知識はいったん置いといてっと。

私が今回試すことになったのは、コイツだぜぇ!

イメージ 1

そう!
マクフライです!

マクフライといえば、もうこの画しか頭に浮かんでこない世代です。ゴメンなさいね!
(ちなみに、あえて吹き替え版を観るなら宮川一朗太バージョンが一番いいです)

脱線しましたので、
再度、紹介します。McFLYです。

イメージ 2
29+規格タイヤで、2.8インチの幅があります。
持っても軽く、測っても軽い!(あたり前か?)なんと実測値769g!
これで29+タイヤなのか?ってくらい軽い。
もちろん、スペックはLightバージョン・TERRENEお約束の120TPIモデルです。

今まで私が履いてきた29+タイヤの元祖といえば、
Surly Knard3.0 (29×3.0)
29+タイヤの元祖的存在であり、ベンチマークになっているほどのオーソドックスなスタイルなのではないかと思ってます。
これぞ、「The MTB」といったようなスクエアなブロックパターンが規則正しく、高密度に配置されているのも特徴ですね。
実測重量は、120TPIモデルで850〜900gありました。

そして、29+を持つ友人が多く履いているのが、もう一つ
MAXXIS CRONICLE (29×3.0)
試乗した感じ、前述のKnardよりもさらにサイドケーシングの剛性を高め、悪路走破性を向上した感がある印象でした。
とにかくいろんな面で強いタイヤですが、その分重いのもいたしかたないところ。
カタログ値は1055gとありましたが、実測1200gぐらいあったのもありました。

そして、国産ブランドも外せない名門Panaracerからは、
Panaracer FAT B NIMBLE (29×3.0)
これは、持った感じでとにかく軽く、サイドも薄く、ノブも低め。
走行感も回転抵抗低めでした。ただ、本当に薄いのでよくパンクするのも聞いたことがあります。
カタログ値は765gとかなりの軽量クラス。また、3.0という表記サイズの割にはかなり細めのタイヤ幅でしたね。

上記3社のタイヤ幅はスペック上、3.0インチとありますが、
MAXXIS>SurlyPanaracerという順で、太さにはかなりの違いがありました。

私が29+で使用していたSurly Knardは、29+用としてはかなり細いリム幅のVelocity Blunt35でして、内幅は30mmでしたので、参考にしにくいかもですが、
空気圧1.0Barで最大幅75mmぐらいでした。

さて、そんなKnardも、もう4シーズン履いてしまいましたのでそろそろ新調せねばと。

そこで、Knardに満足した点、不足していた点を鑑みた上で、
私が理想としていたポイントを2つあげるとするならば!

1) サイズ的にボリューミーだけでなく、しなやかでクッション性がいいこと。
2) 泥つまりが少なく、主に前輪用としてグリップをしっかり保つこと。

に尽きます。

Knardの場合、ボリューム感はあるので、上記1)は合格ラインは超えると思うのですが、目の詰まったシンプルな長方形ブロックパターンにより、泥つまりしやすく、抜けが悪い時が多々ありました。
ノブの成形も均一的な長方形で、コンパウンドも特筆できるものではなく、ごく一般的なゴム質。。。(ゴメンなさい。悪く評価するつもりはないんですが、とにかく普通なんです)

さて、今回のMcFLYはというと、走る前からこんな想像ができちゃいます。

1) クッション性について
幅のサイズは確かにスリム化しエアボリュームはダウンしましたが、とても上質なコンパウンドのようです。
ノブをサイドから押して見た場合の戻りスピードが遅いスローリバウンド。
ブロックの表面上はとても柔らかく粘着性のあるようなシットリと吸い付くような感触ですが、ブロックの中心はしっかりとした芯があって腰砕けしない印象です。
このコンパウンドが、実はクッション性だけでなくトラクション性も向上しているのは、同じコンパウンドの同社のELWOODを毎日のように走行しており体感済み。
タイヤ表面の微細な柔らかさが、路面の凹凸の角を取ったように滑らかにすることで、同じ空気圧でも他社とは違うクッション性の良さを期待できそうです。

2)グリップ性について
TERRENEの特徴ですが、どのタイヤ(グラベル用を除くMTB用タイヤ)もブロックの一つ一つが大きく、間隔が開き気味です。
ハードパックのXC向けとは真逆で、どちらかというとマッドタイヤに近いパターンですが、どんな状況でも前に進まないといけないアドベンチャーシーンに求めた結果なのかもしれません。

ちなみに、Knard3.0では、センターのブロック間距離は最小4.5mm、最大6.5mmに対して、McFLYは、
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なんと、14.5mm!!!
Knardの約3倍弱の隙間が空いているわけですね。泥がつまるリスクが格段に減ります。(反対にパンクするリスクは増えますが)

また、両端のサイドブロックのみが最大6mmのブロック高がありました。
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この端っこのブロックを縦方向に押すと
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ブロック表面では粘りをみせるものの、単純なスクエアではない、まるで頑丈な奥歯のような足腰がしっかりした形状を持っているためか、容易に腰砕けしません。
Knardよりも肩が張っているので、エッジの効いたタイヤショルダーを使う機会も増え、よりグリップ力を生かしたコーナーワークが期待できそうです。

少々長くなりましたが、これら2つのポイントが私の29+ライフをより楽しくさせることは間違いないでしょう。



最後にちょっと長い蛇足的推論ですが、2.8インチ幅について持論をば。

Knardを履かせていた時と同じ条件のリム(Blunt35)に履かせたところ、
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68mmというデータでした。
おそらく、推奨的な40mmくらいの内幅をもつリムに履かせれば70mmくらいかと。
これなら確かに、2.8インチ幅ですね。
(正確には2.54cm×2.8inch=7.11cmですが、まぁ許容範囲内でしょうね)

タイヤ幅でどんなことがいいたいのかというと、

リジッドフォークを持っていない人へ、
サスフォークにも余裕で入るだよ!

ってことなんです。

ほらね!
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(2012モデルのFox製 F29 100mmストロークに嵌めてこの状態)

まぁ、29→29+にしたい人というのは、大概は、クッション性をタイヤに求めるので、サスを捨ててリジッドフォークにする人が多いのですが、まだリジッドフォークを持っていない方にも、29+を導入することが可能。

2.8でも十分太いんです。プラス化することのメリットはこれでも十分な気がします。
実際、29+では3.0幅が限界でしょうね。それ以上に太いと、重さとハンドリングのダルさのデメリットが増加してしまうのでしょう。
ディファクトになりつつある29の走行性の良さと、既存の「29+規格=3.0インチ幅」の中間というか、良いとこ取りを集めた結果みたいな存在になりそうなMcFLY

明日、WEB系メディアの取材をかねて、軽く試走してみたいと思いま〜す。

8月はブログ更新、サボってしまってスミマセン
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