ベリー ナイスなホイールできた！（後編）
実は、ホイール組はとっくに完成し、
徐々にセンターが出てきて、振れも少なくなってきました。
全体重をかけたりはしませんよ！
足踏み作業直後は、必然的に振れが大きくなります。
21mm幅のStan'sのリムテープがちょうど良い幅でした。
晴れてオーナー様のところに昨日無事に渡されていったのでありました。
が、
なんか手塩にかけて育てた我が子が、里親に引き渡されたような感覚ですね。
きっと多くのBike Shopでも愛しい気持ちを感じながらガマンしながら、それを満足感に変換していることでしょう。
というわけで、他人様のホイール製作第1号を無事に終えた記念に、後編も綴ってみます。
このBlogを見ている方の中できっと手組する方々も多くおられるかと思います。
「ワタシはこんな方法でやっているよ！」とか
「こうするともっと楽チンだよ！」とかアドバイスありましたら、お気軽にコメントくださいませ。
さて、
前編では言い忘れておりましたが、ニップルはRESPOのオイルに漬けちゃいますのです。
使う直前に、ペーパータオルの上に置いて油切りして使います。
さて、仮組を終えたホイールは、
「縦の振れ取り」をしながら、大きく左右に振れているところも補正しつつ、大雑把にセンター出しもします。
この3つの作業を同時並行に進めるというのが、どうやら手組の醍醐味でもあり、面倒臭さにもなっているわけです。
さらに、振れ取り台から外して、センターゲージを当てて見ることもしばしば。
確かに面倒かもしれませんが、やればやっただけゴールに近づくような結果が伴ってくるので、不思議とわずかながら達成感も味わえる作業です。
HOPE Pro2 Evoのフロントハブは、ディスクローター側のスポークが短く、テンションも高めになります。（「オチョコ量」って最近聞かない言葉だけど、かわいい発音なのだ）
テンション調整はローター側が24～25の目盛りの間
反ローター側は19～20の間におさまるように調整します。
テンションの強さ、
ニップルを回す堅さ、
どの範囲までのニップルを回すのか、
ニップルを回す角度は、
そうした自問自答が頭の中でスタートし、明確な言語としてコタエを出すのではなく、指先だけがコタエを知っているかのように、せっせ、せっせと動いて行きます。
そうした繊細な指の動きが一段落すると、今度は大胆にも足による力仕事の出番です。
スポークの交差している部分をかかとでジンワリ踏んであげるのです。
そうすることで、スポークに適度な伸びを与えスポークの首を正しい方向に補正するのであります。
これを1周、左右で合計2周。
でも、テンションメーターで全32本をチェックして補正していくことで徐々に振れが少なくなってくるから可愛いものです。
横振れがほぼ最小限（0.2～0.5mm）になったころ、ひとまず終了。
指の腹、角を丸めた爪などで、テープを切り裂かないように指圧して圧着。
バルブ穴の前後10cmほどを2枚重ねにして、最後にバルブ穴の位置に十字に切れ目を付けて完成です。
子供の寝ている時間で行ったので、日にちは開いてしまったのですが、
後日、後輪も同じ作業を終えました。
スポークの長さも、ハブ軸の左右からフランジまでの距離も同じSS仕様の後輪は非常にバランスが良くて
左右とも22の目盛りでほぼ均一なテンションで完成しました。
しかも、かなり細かく回していったので、増し締めすることがほとんどでニップルを戻すことを最小限にとどめることができました。これは自分にとってもかなりの進歩！
こんなに銀ピカなホイールは滅多に無いでしょうね。
サイクルモードではCHRIS KINGのブースでH PLUS SONのリムで組まれた手組ホイールがありましたが、KINGがこのリムを使いたくなるのもわかる気がします。それほど魅せられる形状だからです。
最高のホイールっていうのはガンガン使って、いい味付けをして、時々テンションを調整して、そしてますますバランスが良くなっっていたものだと思います。オーナーといっしょに成長する楽しみを持つ、まさに生きた道具ですね。
オーナーさまがこのホイールを使ってご機嫌なトレイルライフを送るのが楽しみですなぁ。
29er大好き・SS大好き・ヘンタイも大好き！
ホイール組みはめっちゃ楽しいっす！
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