DAISO メスティンをちゃんと使うために
巷でかなり話題になっていたDAISO製メスティン。
こんな記事を読んだら欲しくなるのは当然でしょうね。
私も、およそ3km圏内のDAISOを4店舗ほど巡回しましたが、SOLD OUT
諦めることができなくて、もしやと思って2巡してみたら、一番最寄りのDAISOにやっとラスト一個を発見&確保できました。
お店のスタッフに「これとっても売れてますよね!生産完了したんですか?」と聞いてみると、
「はい、入荷してもすぐに売り切れてしまいます。でも生産は終了していないので、どんどん入って来ます。大型店舗の方が割り当てが多いと思います」という情報を得ましたので、入手希望の方は大型店舗を中心に出向いてはいかがでしょうか?
さて、前述紹介した記事では、主に本家トランギア製との形状・重さなどの違いと調理例を紹介されておりましたが、私も本家を使って長いので、ここでは主に
「ちょうどいいスタッキング」と
「さらに美味しく炊くために」
を考察してみたいと思います。
その前に、シーズニングはやっておきます。シーズニングは必要ないという声もあるようですが、やらないよりやった方がプラシーボ効果も含め、精神衛生的に良いのでやりました。
ついででしたので、従前まで使っていた本家メスティンも、一緒に「追いシーズニング」しておきました。
さて、前置きが長くなりましたが、これからが本題です。
そもそも何をスタッキングするか?
まず、DAISOメスティン本体が121gと、本家トランギアの150gよりも20%も軽量で、容積は2/3となるわけであるから、自ずと小型軽量志向の道具がジャストマッチします。せっかく器を小さくしたのに、中身が重いもの・デカイものでは、目的を見失ってしまう気がするのであります。
しっかし、本家トランギアのメスティンを使っている時には、コレがミニマルだと信じ込んでいたのに、これ以上のミニマルが存在してくるなんて、なんだか不思議ですねぇ。
私自身、メスティンの中身は、調理後も体積が減らないものを入れるのがベストなんじゃなかろうかと思ってます。つまり、「カトラリー、ストーブ、ライター、燃料ケース」あたりですね。
調理前も調理後も、中身は一緒なので、片付けの際に空きスペースのことをあれこれ考えなくていい良いというメリットがあります。
反対に、調理後に体積が減るのは、「食材、固形燃料、ソフトケースに入れた液体燃料」となるわけですが、調理後に体積が減少した分、他の何かを詰めることによって、メスティンの容積を有効に使うことができます。適当に詰めてあげないと、バイクパッキング(バックパッキングでも同様に)、移動中の振動でメスティンの中の積載物がカラカラと音を立てるのだけは最も避けたいのであります。
積載するストーブを用意してみた
まずは、メスティン炊飯にはベストマッチだと思われるEsbit固形ストーブでしたが、、、
ガーーーーーーーーン!!!
あと1mm外寸が小さければ入ったのに、ギリギリアウトでした。
コレは、私のEsbitストーブが旧西ドイツ軍の払い下げというレアものだからなのか?
実寸76mmの横幅だと入りませんので、3rdパーティーなどのギリギリ小さいストーブがピッタリだと思います。
五徳一体型ストーブであり、火の高さ調節、25g固形燃料を2つ並べできるなど、このストーブがベストなだっただけに悔しいですね。
次に、用意したのはトランギア アルコールストーブTR-B25です。
アルコールストーブ の定番中の定番です。
こちらは余裕あり。
タイベックシートで作られた軽量ケースに入れても大丈夫でした。
火力の強さ、火力調整、アルコール燃料の携帯しやすさという点から、アルストはかなり対応力の高いお供ではあります。しかし、少なくとも五徳と風防と燃料とライターが必須となります。
SNOW PEAKの折りたたみ箸、ライター、軽量五徳、樹脂製スプーンのセットを詰めてみました。
燃料は別に携行するとしますが、コレで306gとなりました。
次に、BE-PAL2019年4月号付録のSho's ミニ焚き火台をアッセンブルしてみます。
ミニ焚き火台という商品名でしたが、実は固形燃料ストーブとして実用度が高いのです。
むしろ、焚き火台としては小さすぎて薪はすぐに燃え尽きてしまいますよね。
DAISOメスティンに入れると、グラつき・ガタつきもないシンデレラフォット的なピッタリサイズでした。
比較考察の途中ですが、ここで、ちょっとおさらい。
ストーブの重量比較データです。
・Esbit 固形燃料ストーブ:94g(自作ミニ風防含む)
・トランギア アルコールストーブ TR-B25:112g
軽量五徳(14g)と合わせると合計で 126g
・BE-PAL付録Sho'sミニ焚き火台:64g
小型・軽量を目指す今回の趣旨からすると、Sho'sミニ焚き火台が最有力となってきました。
では、必要なものをできる限りぎっしりと隙間なく詰めてみましょう。
メスティン含めて、304gのパッケージとなりました。
つまり、前述のアルコールストーブのパッケージとほぼ同じ重量ですが、
こちらは、固形燃料が2つあるのです!
さて、この中身の詳細はというと!!!!
左から、ライター、SNOWPEAKお箸、(黒いのはソフトケース)、
樹脂製のもんじゃヘラ、Sho'sミニ焚き火台、25g固形燃料2つ、アルミ製風防
なんと、メスティンの中に、ストーブ、カトラリーはもちろん、燃料も風防も全てセットできちゃいました。
コレは、アルコールストーブでは実現不可能なサイズ感。
また、あえて比較しませんでしたが、シングルバーナー+ガスカートリッジの場合、最小の110サイズでもガスカートリッジそのものがDAISOメスティンには入りません。コレは本家トランギアのノーマルメスティンでも無理なんです。
最小ミニマルパッケージでご飯を食べたいというパッケージはコレに決まりそうです。
炊く前の下準備(一合の水量目盛り製作)
本家本元トランギア の場合、ノーマルメスティンのサイズだと、洗ったお米+お水の量は、リベットの円の中心がちょうど良いというのは、言わずもがなの鉄板知識。
ところが、DAISOメスティンの場合、一合の水量はリベットの位置よりもやや上
う〜〜ん、コレだと目印がなくてよくわかりません。美味しいご飯を炊くには適切な水量は重要事項なのです。
悩むことはありません。使いやすさが一番ですので、目印をつけていきましょう。
適切な水量の位置に、薄く傷をつけておきます。
お米とお水を一旦退避させてから、ちゃんと見えるよう、まっすぐにラインを削りました。コレで、水量はバッチリ測定できますね。
実際にご飯を炊いてみた
前述紹介したCAMP HACKの記事はもちろん、DAISOメスティンを紹介した多くの記事は、炊飯して美味しく食べて終わりという流れが大半ですね〜。
実際に炊飯してみないと、インプレができないので私も実食することに!
本家トランギアと比較すると、蓋がガバガバなので、沸騰してくると内圧が高まり蓋が浮いてきてしまいます。
焼き鳥の缶詰を置いてみました。コレでも少し浮き沈みしてくるので、もう少し重めのものでも良さそうですね。(温めるおかずが無い場合は、拾った石で十分ですね)
火が消えるまで23分程度、蒸らしをしっかりと15分で、約40分で炊き上がりました。
強火→中火→弱火までの工程がオートマティカルに緩やかに変化していく様は固形燃料ならでは。
アルコールストーブやガスストーブにはできない芸当で、炊飯にはピッタリだと自負しております。
さて、肝心のお味は?
もちもち・ふっくらですぞ!
もしかすると、本家トランギアよりも床面積が25%ほど小さいために、同じ一合炊きの場合、お米の層が厚くなるのが奏功しているのでしょうか?
とってもふっくらになった気がします。
また、一合でもこの出来上がりのカサにしかならないので、炊き込みご飯のように具材を追加してもちゃんと炊飯できると予想します。
さらなる美味しさを追求するために!
ここまで、小型軽量な炊飯のためのスタッキング術や適切な水分量に気を使ってきましたが、お米を美味しく炊飯するキモは、「蒸らし」にあるのだそうです。
チョイと検索したので、蒸らしについて引用させていただきますと、
「蒸らす段階で、お米に充分蒸気を吸いこませ、 余分な水分がお釜の中に残らないようにしているからです。そのためには、釜の中は火を止めたときのままの高温状態にしておくことが望ましいのです」
(「お米のプロが教えるお米の美味しい炊き方」からの引用)
よくみてください。最後の太字の一文です!
「高温状態にしておくことが望ましい」のです。
アウトドアで炊飯する時に、一番忘れやすく失敗に繋がるのが蒸らし時間の保温ですね。
タオルなどの厚手の布で巻くというのがオソト炊飯の一般的手法ですが、
持参するの忘れちゃったりする率が90%以上の自分なので、専用のメスティン保温ケースを作ることにしました。
メスティンの現物を持って、DAISOで様々なバッグに入れたり出したり、ピッタリなものを探してきました。
弾力性のあるメッシュケースです。
このままでは保温性は高くないので、保温マットをインサートしていきます。
厚すぎない素材の保温材をバッグの内側の容積に合わせて成型しました。
バッグと一緒にミシンで縫い付けようかと思いましたが、耐熱両面テープで固定したらバッチリでした。
メスティン本体を入れた状態。隙間が少ないピッタリサイズです。
わずかな隙間には、カトラリーなども入る余裕があります。
ファスナーを閉めるとさらにケースが密着し、保温能力が高まります。
最後の最後に、さらに美味しく食べてキレイに片付けるためのギアを紹介!
それが、コチラ!!!
コレも100均ショップで買った「耐熱もんじゃヘラ」です。五本組で110円!
前述した「お米のプロが教えるお米の美味しい炊き方」 によると、蒸らした後、味を均一化するために、「シャリ切り」というワザが存在するのです。
引用しますと、
「蒸らしが終わったら、釜の底からお米をはがすようにかき混ぜます。
しゃりきりをすることにより、釜の底や中のお米が空気に触れ、余分な水分を飛ばすことができます」
その「シャリ切り」をするため、このヘラを使うのですが、
スタッキングに便利なミニサイズであることはもちろん、ヘラの直線部があることによって、アルミの地にこびりついたお米を根こそぎ剥がしてくれるのです。
かき混ぜるだけでは勿体無いので、スプーンのように使うことも可能です。
また、食後にメスティンを水で洗う際にも、このヘラは、こびりついたご飯をこそぎ取るにもとても有効な形状でした。
以上、DAISOメスティンをちゃんと使って美味しいご飯を食べるためのネタでした。
ただ、実際のオソト飯では、炊飯だけでなく、おかずを作ったり、食後のコーヒーを淹れたりと、火力を使用することが多岐にわたるので、このDAISOメスティンセットと、それ以外の食器や火器の組み合わせは、都度カスタマイズすることが必須。
ま、その時々に合わせて事前に検討していく時間がメッチャ楽しいんですよね。