サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

ビンディングペダル考察 測定編(仕様とクリート)

実は、3日前にこのタイトルでもって記事を7割がた書き上げていたのですが、急にブラウザ閉じちゃったから強制削除。。。

さーて、日韓戦も勝ったことだし、気を取り直して続けます。
おそらく長くなりますので、気の長い人のみ読み進んでみてくださーい。

イメージ 1

【仕様について】

10.固定調整

SHIMANO製ペダル2種については、9段階の調整があり2.5mmアーレンキーでクリック感の大きいボルトで調整できます。私は強めに固定したく最強から3段目あたりを使用。
イメージ 8イメージ 14









15年近くSHIMANOペダルを次々と使っておりますが、固定調整バネが壊れたことはない信頼の高いもの。最強レベルはかなり固定力強し!です。(新品未開封時は、最強になってますのでご注意を)
当然固定力が高くなれば外すのもはめるのも力が必要になります。
でも9段階は細かいかなー。5段階ぐらいで十分な気がします。

つづいてTIME ATAC (なんか児玉清に大声で叫んでもらいたい商品名です!)
イメージ 15









マイナスのボルトで4段階の調整です。いたってシンプルなバネ調整構造なのでこれも信頼性◎
4段階もあれば必要十分な調整幅だと思います。ボルトが側面の位置にあり、マイナスなので泥つまり、摩擦による摩耗も少ないかと。最強から2番目の強さで使用。


最後にCB Eggbeater



画像がないんです。

そーでなくって、固定調整ボルトが存在しないのです。
固定力はSHIMANO、TIMEと比べると真ん中より下の弱さです。
さて、外しやすいのは吉と出るか?


11. 装着方法
ペダルをクランクに取付ける時の方法ですが、
SHIMANO、CBはアーレンキーを使用。TIMEはアーレンキーでも15mmペダルレンチでもいけます。
作業効率としては、大きい工具をしっかりにぎってクランク外側で回す事のできるペダルレンチが圧倒的によいです。
アーレンキーだとどうしても自転車を天地さかさまにして、クランクの内側(BB下)で作業するためギザギザのフロントギヤがこわい。。。(グローブ必須ですね)
ま、輪行の場合はアーレンキーの方が軽量なツールで済むというメリットもありますがね。


12.稼動爪の位置

クリートを挟む二つの爪のうち、どちらが稼動するのかというポイントなのですが、
SHIMANOは後爪が稼動、TIMEは前爪が稼動、踏み面が4面あるCBはペダルの向きにより前だったり後だったりするという結果なのです。

マジマジと見て初めて気づいたくらいでした。
実際に爪が動く動作感がどれだけ差があるのか、感じ取ろうと思いながら走ってみたのですが、引っ掛けてからバチンと固定されるのって瞬間的なものなので、正直いって差がわからなかったです。よってメリット、デメリットは(私には)なかったと言いたい。

(しかし、この爪の構造の差が、あとあと大きな違いをみせつけるのであった。。。)


13.水平スライド量

これは、TIMEの独壇場というか専売特許みたいなものです。
SHIMANOは横スライドは皆無。CBは爪の横幅が少し多めにとってあるのか実際には2.7mmの稼動域がありました。しかし、スライドのスムーズさはTIMEには遠く及びません。
TIME社は、ペダリング時に各関節にやさしい構造をとるがゆえ、水平方向に約5mmスライド幅を持たせてます。
2年使った私のクリートでは5.3mmの稼動幅がありました。
膝が弱いことを自認している私は、2006,7年の王滝100km参戦時に迷わずコイツをインストールしました。膝が痛くなる要因はペダリング以外にも様々ありますが、結果として痛みを伴わず完走できたのはよかったです。

少しわかりづらいかもしれないですが、
左写真が最も左(内側)に寄せた時、右写真は最も右(外側)に寄せた状態です。
イメージ 16イメージ 17









どちら寄ったときでも、ソール部とペダルボディの接触面積の横幅がしっかりあるので、踏んでいる時の接地感には影響がでません。


14.クリート形状

上の表では厚みのみ測定しましたが、厚さは、歩行時にどれだけクリートが地面に着きやすいかということになるくらいのファクターだと思います。これを履いて街を歩行することはほとんどないので、厚さについては掘り下げるのはここら辺にしておきます。
強いて言えば、コンビニに行った際、カチンカチンとなるのがSHIMANOでしょうかね。


問題は、


その形状なのです!


今回の記事で一番言いたいのはココなんです!
形状の違いはハメ心地、外し心地、泥の付きやすさに影響してくると思えるからです。

では、SHIMANOからみてみましょ

その構造上必要なので、爪の裏には前後とも深い溝がありますね。

クリート前方
イメージ 18

クリート後方
イメージ 2

どんなクリートでも土はネットリと付着します。気象条件によっては雪や氷が付くこともあります。
クリートに付いた土を取る為には、ペダルをガッツンガッツンとキックしたりするのですが、この爪の返しがあることで多少排出性が悪いんじゃねーのかなって素人的に思うのです。
しかもシューズ側にはクリート調整用に前後に穴が長く空いているので、ここも泥でふさがれてしまい、さらに泥ハケ性能を悪化させてますがなー。

SHIMANOがこのSPDを開発して15年以上経ってるわけですが、一世代のみチロっとマイナーチェンジした時がありましたね。でもまたこちらの標準のSM-SH51にもどったようで。
互換性のよさに縛られると、新たな可能性のあるパーツ開発は難しいのでしょうかねー。

クリートか、爪形状を激変しない限り、泥はけ性能が顕著に向上することは少ないんじゃないかと無責任ながら思ってます。ガンバッテ!シマノ


おっと、ついついシマノさんを攻撃してしまいました。
なぜなら他2社がかなりいい線イってるからです。

ではTIMEをみてみましょか

真上から見た図
イメージ 3

TIMEは唯一、ペダル上で横スライドする構造のため、クリートそのものには横スライドする幅がほとんどありません。そのため、ボルト付近にはボルト穴しか凹凸がなくフラットなんであります。理論上は泥はけ性の高いメリットだと思います。

そして前方からみた爪の部分
イメージ 4

爪の内側はSHIMANOのような複雑さが無く、シンプルな形状の爪です。
爪部分の表面積が少ないほうが泥離れが良いと推察します。



次に、CBの出番です。

イメージ 5

これもTIMEに形状が近いシンプルな爪です。


そしてCBのはめ心地、外し心地を左右するのが次の写真で判明します!

まずは、前から
イメージ 6

爪の返しが非常に丸っこいですねーー。
爪というよりふくらみとも言える丸さです。弥生時代の勾玉みたい。
肩の部分もなで肩なので、いつのまにか外れていた感触がここから来ているのかもしれませんね。

そして後ろ側です。バチンとはめる感覚を決める要因になりえるその形状は?

イメージ 7

おやまーー!
これまた前方と同様に浅いひっかかりでした。
当然、メリットとしては泥はけ性能が良いのですが、ステップイン&アウトのクリック感は、文字どおり角がとれた状態になります。これをメリットとみるかデメリットとみるかは個人の趣向にもよりますが、ペダルの固定バネも他社と比べ相対的に弱いので、しっかり固定されている感じが好きな人には向かないような気がします。
どのタイミングで外れたか分かりにくいですが、外れやすいことは初心者にとってはいいことなのかもしれませんね。

でも、私はバチンとはまる感触があった方が、「隊長!ペダルセット完了しました!」の合図になってくれるので、「はまったのかな~? どうかな~?」な桃井かおりのようなあんにゅいな不安感とはおさらばできるのがイインでねーかと確信しております。



実は、実走編のデータを取るため、XTR PD-M985とTIME ATACを左右それぞれに履いて比較してみたんです。
その結果を見てみてください。(足が2本しかなかったためCBはテストできませんでした)


こんな感じでバラバラに履いてみました。
左はXTR PD-M985用。右はTIME ATAC用
イメージ 19
イメージ 9イメージ 20












少し粘土質な土の上でクリートに土がこんもり付いた状態でテスト。
まずはSHIMANOクリート ほとんど土に埋もれていてクリート見えない状態。
イメージ 10

激しいキック無しで、そろ~と上からはめてみると

(にゅる! パチン!)

そして静か~に外してみると

イメージ 11

前方に全部土が詰まってます。かき出されるまで時間がかかりそう。

同じ場所で同様の実験をTIMEでやってみた。

やはり同じようにクリートが見えないくらいコッテリ付いてます。
イメージ 12


(にゅる! バチーン!)音が違う

静か~に外すと

イメージ 13

あら不思議!

細くてワイドな前爪の形状であり、前爪前方が大きく空いていることや
前爪が稼動すること(稼動すれば摩擦がおきて泥が取れやすい)で、同じ状況でもSHIMANOとはこんなに違うんですね。


またしても長い記事になりましたが、
「じゃ、結局のところ何がいいのよ」という結論めいたことは、次回の実走編で違った角度からも検証した後に考えてみたいと思います。

今回も最後まで眼を通して頂き、ありがとうございました。