ハブ サウンド(後編)
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4. SHIMANO XT HB-M8000
SHIMANOを書かなわいわけにいかないチンゲール!
自転車を好きになったのも、この国にSHIMANOがあったからなのさ。
自転車を趣味にする前からも、きっとSHIMANOにお世話になっていた。
前置きはともかく、最新のXT M8000系である。
特に、メンテしたわけでもなくトレイルを3,4回走ったあとの新品同品の状態だ。
ノッチは36ノッチ。必要にして十分とも言える。
特筆なのは、その静けさなのではなかろうか。前編で紹介した欧米の舶来品と比べて、これぞ日本の佇まいともいえるおとなしく質実剛健な音。主張し過ぎず、和を以て貴しとなすのが大好きな純ジャパには最適な音色といえよう。
超大多数のママチャリもこの音量なわけで、彼らがみんなHOPEやDTのような爆音ハブだと、街中がうるさくなるから、これでいいのだ。
そして、びっくりするくらいよく回っている。CKやHadleyと比較しても遜色なく滑らかな回転だった結果には、正直驚いた。
5. DT Swiss 240s SS hub
泣く子もだまるDT Soundだ!って、表現すると
その声量の大きさを自分なりに分析すると、36個の爪(=標準の18ではなく、スターラチェットに換装済みなので36です)とがすべてラチェットとなり、すべて同時に接触しているから!
あ、言ってることわかります? なんか変な説明しかできてない自分。
つまり、一般のハブは3から6個の爪をもって、それぞれの爪が外側の溝を引っ掻きながら回転するが、DTは外側の36個の爪と、内側の36個の爪がクラッチ板構造になっていてすべての爪が同時に接触する。だから音もハンパなくでかい。
よくロードの完組ホイールにも使われてするが、骨太なDTサウンドの響きは、かなり遠方からでもわかっちゃうから不思議!
あの構造である以上、爪がかかってから滑ったりすることもなく、爪のアソビそのものが非常に少ないので、乗ってて安心というか、本当に心強い!
強いて言うと、48とか64とか72の「スーパースターラチェット」なんかもオプションで出してくれると29SS乗りには嬉しいんだけどなぁ~。
ちなみに、あまり回転が持続していないのは、重量物であるタイヤ&チューブを履かせていない状態だから。確かにCKやHadleyとは滑らかさはかなわないが、タイヤ重量分の遠心力が働いていない条件での撮影なので、あしからず!
6. Kuwahara Diavolo R135
ダークホース的な存在? 知る人ぞ知る? 遅れてきた名品?
日本が誇るあのKuwaharaが2年前から販売している逸品の登場だ!
どこから踏んでもトルクが瞬時に立ち上がるハブは、29インチの大きい孤を描くユーザーにとってアドバンテージが大きい。
特筆すべき点は音の小ささだけでなく、回転の滑らかさであろう。動画を撮影していて「もしかして、止まらないんジャマイカ?」とすら心配してしまうほど回転の鈍りが後半になってもやってこない。
ノッチが細かい=回転抵抗が大きいという常識を軽く覆してくれたKuwahara
ライド中にも回転の伸びが体感できるか実に楽しみなもんだ。
さて、ハブサウンドの話題とは脱線するが、ノッチの細かさと「トルクの逃げ」についてちょっとだけ語りたくなった。
36ノッチの場合、1ノッチずれた時の空転する角度は10度にもなる。
72ノッチの場合は、半分の5度であり、120ノッチにおいてはわずか3度となるのは小学生の算数で計算できる。
これを29インチのホイールの外周に当てはめてみる。
先日、29の2.2インチタイヤContinental X-kingのホイールの高さを測ったらおよそ73cmだった。単純に計算すると外周は直径×3.14なので229.22cmとなる。
「空転距離」 = タイヤ外周(cm)÷ 360度 × 1ノッチ角度 で計算
10度の回転で6.36cm (Shimano, DT Swiss)
5度の回転で3.18cm (ChrisKing, Hadley)
3度の回転で1.9cm (Kuwahara)
あくまで机上論に違いないが、ノッチが細かいほどペダルにトルクをかけた後に、タイヤがちゃんと回転するまでの仕事が早いわけである。
特にタイヤの外周径が大きい29インチでは上記の空転距離は長くなるから、29乗りはノッチの細かいハブに乗るべきだというのが持論だ。
(ただし、ノッチが細くてもラチェット構造にアソビ量があるとトルクのかかりはずれてくる)
まだ、Kuwaharaハブでトレイルを走っていないので、このハブの性格を掴みきれていないが、とにかく期待が膨らみすぎて仕方なくなってきたゾイ!
以上、前編・後編あわせて6つのハブサウンドを紹介したが、
個人的には、Industry9、White Industryなんかも興味があるので、試して見る機会があれば、続編でレポートを書こう(かな?)
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