本当のメンテナンスってなんだろう?
1つ前にUpした記事「BROOKS SWIFTのメンテナンスだ」について、
まず、とても有益な情報源をさらりと教えてくれたJさんに感謝です。
いつも長い文体で結論がまとまっていない私なので、先に結論を述べさせていただきますが、あれはメンテナンスといえるものではなかったです。
自分のお尻に「手っ取り早く」馴染んでもらうために、SWIFTというサドルの性格や走り方を無視した方法の一つであったと言えましょう。
時間のある方と多少なりとも自転車を好きな方に限られるかもしれませんが、この方のBlog本文と丁寧・適切で重厚な内容のコメント(45件も!!)をじっくりと拝読すればわかるかもしれません。
実は、この方のBlogはBROOKS サドルを購入した前後に、GOOGLE検索で必ずヒットするものでしたのでチラ見程度はしていたのです。この時にちゃんと根気よく理解していれば、メンテや慣らしの意味合いの理解がもう少しマシになっていたことでしょう。
慣らしの中身に話を戻すと、「早く馴染む」ってことが「正」であることではないってことですね。
早く馴染むようにみえて、それはサドル裏側の皮が伸び易くなり、結果として型崩れを起こす要因の一つになりえます。
前述のBlog主ことR&Fさんは、記事のコメント欄に来たBROOKSユーザーさんの質問に対する丁寧な答えの中に、「革サドルをキレイに型崩れさせずに乗るというのは、ポジション調整からはじまって、ワックスの塗り方まで含んだトータルなもの」という表現がありました。
自分の場合、長距離ツーリングなどほとんどできていないわけで、乗っても1時間程度。
これで馴染みを早々に出そうというのが間違い。早く柔らかくしたいので裏からオイルを塗込むというのは本末転倒の有様でした。
各国の取扱説明書のあり方や、記載内容の変遷などにも描写されている論文のようなBlogですが、やはり一読の価値はあります。
それにしても、なんで読み飛ばしてしまったんだろう。
長文を読み抜く力が欠けているんだろうな。ズバッと言い切る長文解説には著者の長年の経験や意図といった背景があるのに、受け入れるのに抵抗を示してしまったのだろうか。
格安の海外通販が多く流通し、作り手の考えやコトバの本質、取扱説明書だけでは語れない経験者によるマメ知識よりも、いかに安く早く手に入れることが先行してしまう傾向のあった私への戒めでもあります。
各サドルの性格、ポジショニング、クリームの塗り方、トラブル時の修正方法など、トータルなことを知ることの重要性がわかりかけてきました。
ちなみに、日本語の取扱説明書には、こんな記載があります。
「泥よけの装備をされていない自転車には、サドルの裏面に予め塗っておくと良いでしょう。この場合、磨く必要はありません。」
この表記が混乱のもとになったわけですな。
以上、今後のBROOKSサドルのメンテナンスの方針ですが、
・サドルの裏皮にはクリームを塗らない!
・膝が痛い、座骨が痛いようならサドル高が合っていないことも一因なので見直しすべし!
・まだまだ慣らしを終えたとはいえない走行距離なので、”ちゃんと乗って”慣らしを終えよう!
・サドルを濡らす要因をできるだけ排除するべし!
・説明書のみを鵜呑みにしてはいけない! 根拠の正しい経験者を探す努力を怠らない!
おいおい、だから皮サドルって面倒なんだよなーって思うかもしれませんよね。
否定はしません。面倒は面倒なんですもの。
でもきっとこの面倒さがどんな意味を持っているのかを把握したり、その面倒さの向こう側に待っている一枚皮特有の一体感が得られれば、この手の苦労は快楽の一つになるのでしょう。