サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

ありえないの連続

さかのぼること約1年前、
雑誌「PEN」に掲載されていた1台の赤いスペシャライズドが大きく1ページ掲載されてましたね。
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みよ!
逆オフセット系Foxフォークに、
右側専用取付けローターをこれ見よがしに、さっそうと走る外人モデルくん。

この後、スペシャの広報担当から雑誌社に激しい抗議が入り、発行済みの全てのPENが回収され、編集記事を書いたライターが、日本マウンテンバイク協会の審判により、減給処分をくらったらしい。
(なわけは、ございません)


前置きが長くなりましたが、
実は、これよりももっとスゴイ実車に遭遇してしまったのでーーーす。


私のお店に来店されているお客様のBikeちゃん。
駐車場にとまっているソイツは、明らかに逆オフセット系でありやした。

施術中のお客様にきちんと事情を説明し、同意を得てからメンテを施してあげました。

それが、コイツです。

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MANITOUフォークではありません。
これで、今までよく乗れたと思いますよ。ホント!

あ、言っときますけど、これ序章に過ぎませんからね!
最後までついてきてください。
(実際、自分が何度も心が折れそうになったくらいですから)

まずは、小さいところから。
レバーの角度が水平ですよん。
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ついでにいっとくと、バーエンドキャップのSも上下逆さまのような気がするが、
これくらいは屁のカッパですな。

続きまして
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米式バルブがあっち向いてホイしてます。
1気圧にも満たないポニョンポニョンタイヤですから、ブレーキングの力に負けてしまったんでしょうな。
これは、少し空気を抜いて、タイヤごとずらして正しい向きに合わせて前後3気圧を入れました。

ま、ここまでは多くの人が見た事ある、トーシローちゃんたちのやっちまった系でありますよ。
まだ期待してくんなまし!

次に変化球をば!
Fフォークを正しい向きに治してあげると、そこには、見慣れぬ光景が!! 
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なんと、ブレーキワイヤーのカット処理しないまま、「クルリンパ!」状態。
これ、おしゃれのつもりなんでしょうか?



それでは、とどめの「ありえない」をカマシタイと思います。
えー、普通のBike乗りの方なら、もしかすると上の写真を見てお気づきかもしれませんが、

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片方のシューがなーーーーーーーーーーーーーい!

片効きすらできない状態!
なんとフロントは逆オフセット&ノーブレーキ状態だったのであります。
ほんの冗談のつもりでも乗りたくないBikeだ。。。

こればっかりは見て見ぬ振りはできません。危険きわまりないですもん。
スタッフが乗っているBikeからシューを外し、このBikeに取付けてやりました。
最初から付いていたシューも、リムとの接地面がメチャクチャでしたので、トーイン付けて調整。

Rディレーラーも初期のワイヤーの伸びをとってシフトをスムーズにしてあげました。
Fディレーラーは、かなり上部に取付けられていたせいかアウターにあがらず。

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リアブレーキは、長過ぎるケーブルの余り具合のせいか、引きの強さがMax。
Vブレーキもリターンスプリング調整ミスで、戻る気配なし!
おかげで、レバーを離してもしばらくは上の写真のように、ブレーキワイヤはぷらんぷらん。

できるところまでブレーキ本体やレバー位置を調整したところで、今日のところはここまでと判断。残念ながら、今日に限ってブレーキケーブルカッターや、グリス、スパナなどを持ち合わせておらずでしたので。
でも、試乗してみてリアが軽く浮くぐらい、しっかりとFブレーキが効くようになりました。


ご近所のお客様なので、今度ヒマな時に寄ってもらい、ケーブル&ディレーラー周りを全部再チェックしてあげることにしました。

このBikeのオーナー(24歳女性)に聞いたところ、雑貨屋みたいなお店で若い女性店員から買った当時のまんまだとか。
きっとこの店には、最低限の基礎知識を持った店員もおらず、超テキトーーな組み方で渡してしまったんでしょうな。もしかしたら、自転車屋ではなくリサイクルショップだったのかも。

やはり自転車という商品は、安全運転のための基礎知識(逆走はダメよ!などのマナー)を説明したり、ユーザーレベルにもできる最低限のメンテや自転車の仕組みを教えたり、定期的な点検をきちんと促すことのできる専門ショップでないといけません。

例えるならば、
自動車教習所にも行かずして、ガラクタ扱う不法系ジャンクショップから、店番をしていた無知のオバちゃんから格安で買い取り、車検も受けずに公道を平気で無灯火で逆走していたことと同じような気がします。

案の定、この自転車で運転中に急停止できず、歩行者とぶつかってこけたこともあったそうです。まだ、大事故にならなくて良かったと思います。

※これ以上のサービスはやってませんよ!
今度来店されたら、自宅に近い専門ショップを教えてあげようかと思います。