サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

協働という考え方に震えた!

本日は、とある貴重な講演を聴きたくて雨の中、(自転車も持たずに)西東京の瑞穂町に向かいました。いつもなら輪行袋かかえてBike旅するルートですが、たまには自転車のない身軽な電車旅もいいもんです。

それにしても、
何を聴きたかったか?ってことですがね。

「協働」という言葉を聞いてもイマイチ理解が十分にできていなかった私に、

『瑞穂町 協働フォーラム2017』という、まさにそんな私にドンピシャな内容の情報交換会のようなイベントが開催されたのでありました。

いざ、講演を聴き終えると2.5時間のコンパクトな講演でしたが、自分にとっては認識不足を解消するだけでなく、なるほど日本人らしい理想的な社会構造だなっていう感想と、いやいやこれからは自分の遠くない将来にだって身近な課題となってやってくる大きなテーマにもなりうるんじゃないかっていうやる気に満ちた希望みたいな大きなものを感じられました。

実際に、各スピーカーの生の声の通りに表現するのはできませんが、かいつまんで紹介してみようと思います。
そうすることによって、今日自分が脳内で理解した(とおもわれる)ものが、言葉として再整理できるし、記憶が薄れたときでも読み返せば復習できるメリットもあるからです。

プログラムは以下のとおりでした。
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(当フォーラム公式サイトから引用した資料より一部抜粋)

1) 基調講演 協働のまちづくり by 地方自治総合研究所所長・中央大学大学院客員教授 辻山幸宣さん (60分)
2) 協働ってなに? by 瑞穂町役場 住民部地域課係長 水村探太郎さん (10分)
3) みんなで楽しむ平地林づくり by 西多摩マウンテンバイク友の会 中沢清さん(20分)

1)のパートでは、研究所所長&大学院教授ならではのとてもわかりやすい論法で、近世・近代・現代の歴史上での自治や政治、共同作業のあり方と必然性などを解説してくれました。
よく、こういった題材を語るときに、大昔の過去の経緯を端折って、「少子高齢化が進む現在では」で片付けてしまうことが多いのですが、協働がどうしていま重要なのか、昔とちがってどのようなアプローチをするのがベターなのかなど、深く理解するためにも、辻山教授による実例をまじえたわかりやすい解説を聞けただけで足を運んだ甲斐があったと感じた内容でした。

また、1時間という持ち時間でも全く飽きさせない話法は、とても勉強になりました。
文がコンパクトで、結論のあとにすぐに「理由は」と簡潔に述べるスタイル。同氏の脳内整理のスマートさは一流中の一流だなと感服いたしました。
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(首元のスカーフがさりげなくオシャレな辻山幸宣さんでした)

内容を(とっても)端的に表すと、
各時代の日本人の置かれた状況と、現在ではかなり状況が違っているということ。
都市部に人口流出し、核家族化が進行し、助け合う気持ちが希薄になった住民と、限られた予算で継続的かつ効果的に地域おこしの必要に迫られた市町村の行政側のジレンマ
どちらにも、双方の抱える不満、課題などが山積もしくは破綻寸前。。。

面白いのは、住民側の抱えている身近な状況だけではなく、自治や行政する側の存在理由やアイデンティティー、そして国からの圧力による板挟み状態みたいな苦境までも見事に噛み砕いて整理した内容であったことでした。

後半には、協働の事例を2例ほど紹介してくれましたが、
どちらも、行政側がやりたいから手を差し伸べるのではなく、あくまで住民が主体的に求めてきた行動が中心であることを強く主張されておりました。
それには、理由があって、民意ファーストで動きだすことに、住民そのものがやりがい、生きがい、ふれあいを多いに感じ取るしくみになっていくという構造があるという結論でした。
そうすることで、結果的に生涯つきあえる仲間ができて、人と触れ合うことで(孤独から脱却し)、元気が湧いてきて、健康的な精神と身体になり、元気なお年寄りが増えるということ。(打算的かもだけど、健康保険の支出をおさえる効果にも)
そして、個人個人がその地域で生きがいを持つ何かを得れば、その地域をより好きになり、住み続けたい街になるということ。

結論は、とても論文的推察に近いかなとも思いますが、言われてみると人間ってそういう生き物なんだよなって、強く頷いてしまいました。

2)のパートでは、行政側を代表して係長さん自ら体験した防犯パトロール活動で得たものを中心に語ってくれました。講演時間は短かったのですが、行政側も同じ人間。
住民側からすれば、「行政の人間がやるのが当たり前」と思われてしまう存在ですが、やはり「ありがとう」の気持ちによってモチベーションが維持されているんだなって、
人間らしさが垣間見えた講演でした。

3)そして、私にとっての本題です。西多摩マウンテンバイク友の会代表の中沢さんが、2年間を通して深く関わってきた瑞穂町の平地林における協働のモデルケースの紹介です。
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まさに、瑞穂町町民でもある中沢さんの発信で主体的に行動が始まった実例でした。
1)のパートの辻山教授の語った概論に、噛み合うかのような超具体的な展開の数々に、思わず心が踊るほどの爽快感のような清々しさを感じてしまうほどでした。

超コンパクトにこの協働活動を説明すると、「平地林づくり」とは、都内でも珍しく残されたままの手つかずだった同市内にある平らな林地帯(JR所有地と私有地が混在。当プロジェクトの対象は私有地部分)に対して、人の手できちんと整備をして有効活用をし、いろんな人が集まり・楽しめるしくみを作り上げていこうというプロジェクトなのであります。

住民側の希望、野望、ふくらむ理想像と、もしそれを行わなかった時のデメリットの数々と、行政側・地権者側のかかえる、メリットと実施しなかった時のデメリットが見事にいろんなところで一致したり、共鳴したり、協働することでうまれてくる新たなビジネスチャンスなどが、写真なども多用されビジュアルでもわかりやすく理解することができました。

ここで、あらためて協働の定義を役所の資料から抜粋しますと。

協働とは・・・いろいろな課題を解決するために異なる立場の人たちがそろぞれの得意なことを生かし、同じ目的・目標のために連携協力し相乗効果をあげるとりくみ!

役所らしい網羅性の高い丁寧な説明ですね。(笑
一言でいうと「共通の課題解決」ってことなんですって。

見事なのは、「異なる立場の人たち」の得意分野のリーダーシップでした。
活動内容がどんどんと創生されたからこそ、各リーダーのリソースの分配は的確でないといけませんからね。

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(推進委員会副委員長でもある中沢さんから許可を得て、当日の報告資料の抜粋を転載)

上記の資料では、5つの活動・行動において、イニシアチブをとるべき方が緑色で示されている方々です。実に見事にパズルのピースがはめられているようで拍手を送りたくなりました。これなら、地域住民の方々はもちろんのこと、役所の方々もモチベーションがあがりますね。

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最後に、資料に使われたこの一枚の写真。
これは、復活再生中の平地林の中での落ち葉かきのようすです。
落ち葉収納用の袋に入って遊んじゃってますが、仕事もあそびのように楽しめたら最高ですね。

自分なりに、この一枚だけで勝手に分析しちゃいますね。

住民(親):子供の世話の負担減。自然の中で情操教育もできて二度美味しい!
住民(子):自然に触れるって楽しい! 大人の仕事の仲間入りの達成感!
推進委員会:人と人をつなげて、平地林に人を呼び込むことへの喜び!プロジェクトの成功の一歩!
役場:ゴミ拾い、落ち葉拾いのコスト削減。地域に根ざした住民が増えて嬉しい!
近隣農家:落ち葉から生まれる堆肥欲しい〜〜!地元野菜を売り込むチャンスも拡大!

==>> みんながこの地域を好きになる。

こんなスパイラルが生まれている気がします。


おっと、長くなりましたが、講演の内容はこんな感じでした。

講演の終わったあとにも辻山教授にも質問させていただいたり、中沢さんとも会話を楽しみ、協働の取り組みを多いに理解できた一日となりました。

残念ながら自分の住む地域では、このような素晴らしい協働活動の実例は聞いたことがありませんが、どの地域にも潜む諸問題に対して、これからは無視したり目をそらすのではなく、当事者意識を持って考え取り組んでいくぞというやる気の種を貰えました。

将来的に生きがいをもつ人生を送るには、今繋がっている仲間との仕事や連携作業は、太く楽しく生きる上での予行練習になっているのかもしれないってことだぞ!
というのが今日の私の結論であります。

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