サルサ野郎は考えた

Bike(ジテンシャ)のコトばっかり。主にMTBとグラベルとバイクパッキングね

命を守るためにヘルメットを新調

またまた、お久しぶりな投稿になってしまった〜。

言い訳を述べると長くなるのではしょることに。(不調すぎるPCが一番の要因。いや自分のヤル気か?)

さて、何故にBlogで伝えたくなったかというと、FacebookInstagramの投稿では伝えきれないし、フォロワー以外のいろんな方に見てもらいたかったから。

先月のこと、ロードレースのインカレ大会で落車事故があり、事故に巻き込まれた学生の1人の尊い命が奪われてしまった。また、友人がリサーチした情報によると、他の多くのスポーツの競技の中で自転車というスポーツは、あらゆる競技の中で死亡する確率が高いと言わざるを得ない結果に驚いた。

競技中で死亡という最悪の結果を導く要因は色々あるので、一つ一つの要因分析と解決には膨大な時間と手間がかかってしまうが、気づいたリスクから対処するのが、自分にできることだと思う。

競技(レース)では、自身の最大の力を発揮するがために、できる限りの高速域で全力で勝負する。また一方で普段のユルユルなツーリングだと、気持ち良いスピードで安全に流す。このどちらの方向性においても、技術も訓練も不要で初心者から上級者まで全対象に有効な安全策は何か?
たとえ落車などの事故を起こしてしまっても、1%でも多く重大な怪我から身を守るのは何か?

 

それが、ヘルメットだ。

ヘルメットをかぶらない or かぶるという争点は省こう。もう話す必要もないから。
ちゃんと着用するにしても、実はリスクを減らすことはまだまだある。

ここからは、今日の投稿の本題になってくる。(前置き長いね!)

 

1) ヘルメットには寿命がある

ヘルメットを扱っている、大手自転車ディーラーの担当の方に直接聞いたところ、何も触っていなくても、ヘルメットのインナーフォーム(発砲スチロール)は経年劣化していき、衝撃を減少させるための一定の硬さがなくなっていく。なんと3年が限度なのだそうだ。
つまり、どんなに高級で高価なヘルメットでも3シーズンを超えたら、現役を引退させるのが、頭を守るのである。勿体無いといって5年も7年も使い続けていき、大事故にあった時に脳を守らなければ、さらに高くつくのだ。だから損得勘定はしないで、3年おきに交換するのがベストだと断言してしまおう。


2) アイウェアも一緒に装着

事故などで頭への衝撃を減少するのがヘルメットならば、アイウェア(サングラス)は目を守ってくれるプロテクション。
約30年前、レース前の練習走行時に、顔面から落っこちてヘルメットを割ってしまうほどの大転倒をしたことがあった。その時装着していたOakleyのおかげで、目元は一切怪我なし。ほっぺにかすり傷を負っただけだった。肝心のOakleyは傷だらけにはなったが、割れることもなく私の目を守ってくれた。
また、アイウェアを装着することで走行時に虫やホコリなどの異物からも守ってくれる。目にゴミが入るだけで、目を閉じてしまったり、こすったりする瞬間に、視界が悪くなり、ライドへの集中力がなくなり、転倒を招くことだってある。
だから、頭も守るのであれば目も同様に守る必要があると言いたい。

さらに言うと、私はヘルメットと装着するフィット感の相性の良いアイウェアを選んだり、アイウェアのテンプル(つる)の部分に滑り止めテープを貼るなどして、激しい振動がある路面であっても、アイウェアがずれない工夫をして、どんな時でも視界を良好に保つことに注力している。

3) MIPS SPHERICALを選ぶ
MIPSとは、IT用語だと1秒間に何百万個の命令が実行できるかの指数の単位だけど、Bike関連では、Multi-directional Impact Protection Systemの略。
訳すと、多方向衝撃保護システムといわれるもの。
MIPSの歴史や重要性について、ここで解説することはいたずらに文字数を拡大してしまうので、ヘルメットブランドのGiroのオフィシャルサイトのリンクを貼っておくとしよう。(自転車用ではなくスノボ用ヘルメットのサイトだけど、説明が詳細です)

www.giro-japan.com

そんな私も、2年前からMIPS採用のヘルメットは使ってきた。

ところがだ。そんなMIPSにも近年はさらなる大進化を遂げたらしい。

それが、

MIPS SPHERICAL(スフェリカル)
BELLやGIROといった、ヘルメットの大手ブランドが最上位モデルを中心に採用した新しいMIPSの方式だそうな。
ざっくり言うと、MIPSが1mmくらいの薄いプラスティックのシートだけがニュルっと動いていたのに対し、MIPS SHERICAlはヘルメットが二重になったもの、外側の硬いシェルで大きな衝撃から守り、内側の少し柔らかいシェルが、形状を凹ませて衝撃を吸収する。

実際に新製品展示会にて、BELL社の新製品XR SPHERICALを被ってみて、実感したことだけをコレから述べていく。
ブツはコレだ。

BELL XR SPHERICAL 2023モデル
  

・特徴その1
内側シェルが頭に完全フィットしてスライドする。

それは外側のシェルを動かす時に顕著にわかる。
旧式のMIPSは外側シェルにストラップが付いているので、外側のシェルが動く時にストラップに顎や頬が引っ張られる感覚に対して、MIPS SPHERICALは外側シェルの動きにストラップが連動しない。つまり頭・内側シェル・ストラップが三位一体となっている。
これは何が言いたいのかというと、外側シェルの動きが実にスムーズであること。


・特徴その2
髪の毛が引っかからない!

自分の頭髪の長さは10〜15cmくらいなんだけど、以前のMIPSは薄いプラスチック可動部の隙間に引っかかることが何回かあったが、薄いMIPSだと、可動部が頭皮に近いので少量の髪の毛が入り込んでしまう。
それが、MIPS SPHERICALだと、稼働部分は15mmほどの分厚い内側シェルの外側になるので、髪の毛が入り込まない。
この特徴は衝撃時のダメージ吸収性能とは違い、ヘルメットを外す時に必ず起こってしまうちょいと痛いトラブル。本来の機能とは違うけど、日常的に着用するときの快適さに繋がる素晴らしい機能なのだ。

 

・特徴その3 
MIPSとしての稼働量が前後左右に大きい

内側シェルと外側シェルがスライドする量のこと。旧式MIPSは前後方向の動きが少なくその可動域は10mm程度、左右方向は15mm程度だった。
ところが、XR SPHERICALの場合、前後も左右も実にダイナミックかつスムーズに動き、どの方向にも最大25mmの稼働範囲があった。

さて、気づくと文字ばかりの投稿になってしまったので、旧式MIPSMIPS SPHERICAL採用のBELL XR SPHERICALの動きの違いを動画を。


www.youtube.com

・特徴その4 
マグネットで脱着できるFIDLOCK BUCKLE(フィドロック・バックル)が秀逸すぎ!

これはMIPSとは違うネタになるんだけど、BELLの売りはここにも!


www.youtube.com

確かに、1gでも軽くしたいなら、ごく普通のプラスティックな軽量バックルの方が有利なのだけど、少し重いマグネットが入ってでも、脱着のしやすい利便性を追求するのがヘルメットのパイオニアのBELLらしい。ちなみにBELLは世界で初めて自転車用ヘルメット作ったメーカーで、GIROは兄弟ブランド。開発プロセスは違えど、両者は協力関係にもありライバルでもあるとのこと。

そんなわけで、私はBELL XR SPHERICALを採用することに。大きな転倒がなければ最長でも3年使うことにした。定価で3万円ちょいするが、これで、もしもの時のリスクが少しでも減らすことができるなら、決して高くつくことはない。